手術せず除去できる?脂腺増殖症をイソトレチノインで治療する

脂腺増殖症とは?

脂腺増殖症は、皮脂腺と呼ばれる皮脂を分泌する器官が過剰に大きくなることでできる皮膚良性腫瘍です。

皮脂腺は、皮脂を分泌することで、肌を乾燥や外部の細菌や汚れなどによるダメージから守る大事な役割がありますが、その器官が何らかの原因で異常に増殖してしまった結果が脂腺増殖症と呼ばれるできものになります。

白色~黄白色で3mm~8mm程度のぷつぷつした見た目で、特におでこや鼻など皮脂が多い部分に多発する傾向にあります。

自然に消えることはなく、時間とともに少しずつ大きくなる特徴があります。

通常、中年以降に多く見られますが若い方にも発生することもあり、若い方のなかには数か月で急激に大きくなる場合もあります。

どうしてできるの?

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、中年以降に好発するため加齢と紫外線が主な原因とされています。

その理由は、加齢により皮脂腺が関係する細胞のターンオーバーが低下することで、皮脂腺が肥大すると考えられているからです。また、皮脂腺の活動にはアンドロゲンというホルモンが大きく関わっており、加齢に伴いホルモンバランスが変化することも原因と言われています。

また、紫外線は皮脂細胞を増加させて皮脂腺を肥大させることがわかっているため、脂腺増殖症の予防として紫外線対策は有効と言えます。

治療方法の紹介

今回は手術せず内服で治療できるイソトレチノインについて説明していきます

イソトレチノインってどんな薬?

イソトレチノインはビタミンAの一種で、皮脂腺細胞や表皮細胞の働きを正常化させる作用があります。その結果、皮脂の分泌を抑える、皮膚の角化を抑制し毛穴のつまりを防ぐ効果があります。

また抗炎症作用もあるため、日本では重度のニキビに対し20年以上に渡って治療として使用されている薬です。

公的医療保険が適応されない自由診療となります。

イソトレチノインの詳しい説明はこちら

イソトレチノインが効く理由

脂腺増殖症にイソトレチノインが効く理由は、イソトレチノインの皮脂腺への作用が深く関係しています。

イソトレチノインは皮脂腺を縮小させ皮脂の分泌を減らす効果があります。

ニキビと病態は違いますが、皮脂腺が肥大してできる脂腺増殖症には非常に有効な治療です。

海外を中心にイソトレチノインの脂腺増殖症での治療効果が認められており、文献上、脂腺増殖症の減少に関して100%の効果を得られ、研究で設定した治療期間の60日を迎える前に脂腺増殖症の数とサイズが減少したとの報告があります。

イソトレチノインで治療するメリット

脂腺増殖症は、焼灼や切除などの外科的方法での治療が主流となっていますが、病変の数やケロイド体質など皮膚の状態によっては、イソトレチノインの内服治療の方がメリットになることもあります。

顔は比較的傷痕が残りにくい場所ですが、肌の色やケロイド体質の方など、場合によっては傷痕が目立ってしまう可能性があります。その点、イソトレチノインは皮膚を傷つけることなく体の内側から皮脂腺を縮小させることで脂腺増殖症を治療するため、傷痕が残る心配がありません

再発のリスクですが、治療後2年後の結果をみると一部の患者に脂腺増殖症の再発が確認されましたが、その数は治療開始前に比べて一貫して少なかったとデータが出ており、治療終了後も皮脂腺が正常化している割合が多いことも報告されいてます。

1か月ほどの内服でかなり小さくなったという報告例もあり、脂腺増殖症が多発している場合、手術して除去するよりもイソトレチノイン内服の方がコストを抑えられる場合もあります。

余談ですが、イソトレチノインを使用することでシミが薄くなったり、細かいしわが減少するなど嬉しい作用もあります。

イソトレチノインの副作用注意点

  • イソトレチノインを内服すると、ほとんどの患者様で乾燥を認めます。
    皮脂腺の働きが弱まることで乾燥しやすくなるため保湿は重要です。
    当院では皮膚科専門医が常勤しているので、乾燥に伴う皮膚トラブルをすぐに診察できますし、スキンケア方法を説明したり保湿剤を処方することができますのでご安心ください。
  • 肝機能障害、高脂血症の副作用にも注意が必要です。
  • 胎児の催奇形性があります。投薬終了日から女性は6か月間、男性は1か月間は必ず避妊してください。
  • 稀な合併症として炎症性腸疾患、うつ、アナフィラキシーなどの報告もあります。
  • 服用中および投薬終了から6か月間は献血はできません。

イソトレチノインを内服できない方

  • 妊娠中、妊活中、授乳中
  • 女性は15歳未満、男性は18歳未満
  • 成長期で身長が伸びている
  • イソトレチノイン・トレチノイン・ビタミンAでアレルギーがある
  • ビタミンA過剰症
  • テトラサイクリン系の薬剤を服用している
  • うつ病、うつ気質
  • 肝機能障害や腎機能障害がある
  • 中性脂肪、コレステロール値が非常に高い

詳しくはこちらをご覧ください。

安心してイソトレチノインを内服するために

イソトレチノインは脂腺増殖症の治療として高い効果が期待できますが、副作用のリスクもあります。

特に重度の副作用は早期発見と迅速な対応が必要不可欠です。

イソトレチノインを使用する際、肝機能や脂質異常には注意が必要であり、当院では患者様の安全を最優先に考え、血液検査を実施しています。

患者様の状態を総合的にみて、適切なタイミングで採血検査をすることで、安心して治療を継続できるお手伝いをします。

万が一、血液検査で異常が発見されたとしても、消化器内科医が常勤しているため、より専門的な治療を速やかに提供できることも当院の特長であり、スムーズに治療を受けられる環境を提供しております。

おおしま皮膚科では皮膚科専門医が常勤しており、患者様一人ひとりの状態をしっかり診察したうえで、その患者様にとって最適な治療計画を立てています。治療中は患者様の全身状態を細かくチェックし、患者様の不安を最小限にして快適に治療を受けられるようサポートしておりますので、安心してイソトレチノインを利用していただくために、定期的に診察にお越しいただくようお願いしたします。

また個人輸入もおすすめできません。もしイソトレチノインを個人輸入して使用してしまうと、予測がつかないような副作用が起こってしまうリスクもあるため、医療機関での診察・処方をおすすめします。

料金

イソトレチノイン(アクネトレント)

10mg 1錠¥250(税込¥275)
20mg 1錠¥400(税込¥440)

渋谷駅前おおしま皮膚科へ

脂腺増殖症を取りたいと考えてはいるものの、手術を聞くとなかなか最初の一歩が踏み出せない患者様も多くいらっしゃると思います。

「手術は抵抗がある」という患者様にはイソトレチノインの内服が特におすすめです。手術の痛みはなく、傷痕が残らない点も大きなメリットだと思います。

脂腺増殖症・イソトレチノインが気になる患者様、その他にも気になる症状がある患者様はお気軽にお越しください。

渋谷駅前おおしま皮膚科が選ばれる3つの理由
①保険診療主体で医療連携機関が多数あり安心

最新の医療を学び、最善の医療を提供できるよう、努めています。また、疾患によっては、大学病院・総合病院と連携して治療します(東大病院をはじめ多数の大学病院の医療連携機関に登録されています)。

②平日は11時~19時30分、土日は9時~17時30分まで診療

渋谷駅前にあるため、アクセスがとても便利。お仕事や学校帰りに受診できるよう、夕方や土日も診察しています。

③年間23万人以上の来院実績

2024年度来院者数は、23万7,764人でした(注:2024年1月4日~2024年12月28日まで)。

未承認医薬品等

イソトレチノインは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。

入手経路等

当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。
個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はリスクが潜む個人輸入をご確認ください。
イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。

国内の承認医薬品等の有無

同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。

諸外国における安全性等に係る情報

米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。
鬱、精神病、胎児の催奇形性などの副作用も報告されています。

参考文献

Sebaceous hyperplasia: systemic treatment with isotretinoin*
Sandra Tagliolatto,1 Octavio de Oliveira Santos, Neto,2 Maurício Mota de Avelar Alchorne,3 and Mauro Yoshiaki Enokihara3 An Bras Dermatol. 2015 Mar-Apr; 90(2): 211–215. doi: 10.1590/abd1806-4841.20153192 PMCID: PMC4371670 PMID: 25830991

Presenile diffuse familial sebaceous hyperplasia successfully treated with low-dose isotretinoin: A report of two cases and review of the published work You-Chen Serena Liu 1 2, Yu-Pin Cheng 2 3 4, Chuan-I Liu 2, Chin-Yi Yang 5, Chia-Yi Yang 6 7 Affiliations expand PMID: 27130181 DOI: 10.1111/1346-8138.13416

Sebaceous hyperplasia and sebaceous adenomas presenting as leonine facies and improving with oral isotretinoin
V Gupta 1, A R Mridha 2, V K Sharma 1 Affiliations expand PMID: 27859604 DOI: 10.1111/ced.12918

Isotretinoin as monotherapy for sebaceous hyperplasia Clara Yu 1, Maryam Shahsavari, Gloria Stevens, Ronald Liskanich, David Horowitz Affiliations expand PMID: 20645535